線香花火

線香花火
夕立の匂いが残る 夜の公園の片隅で
最後に残った線香花火に火を点(とも)した
いつまでもこの火花が消える事なく
ずっと燃え続ければいいと思ってた
くだらない事でもいつも同じタイミングで
2人で大笑いして それだけですごく幸せで
「似た者同士だね」とよく話してたけど
いつしかすれ違い 別々の方向を見てた
2人は運命の赤い糸で強く結ばれてて
ずっと一緒にいられると幻想を抱いてた
最後の線香花火の火玉が落ちた後には
別々の道を歩いていく事は分かってたけど
目の前の花火は2人が出会った頃のように
激しく音を立てて 激しく燃え続けてた
ちょっとワガママで いつも強がってて
人前では無理して明るく振る舞ってるけど
本当は誰よりも 繊細な心を持ってる
君を守る事が 僕の使命だと自惚(うぬぼ)れてた
決して触れる事が出来ない真夏の雪のように
触れたら 溶け出しそうな君の特別な領域を
本当は 僕は最初から気付いてたけど
傷つけるのが怖くて 見て見ぬフリをしてた
君の事を受け止めてきたつもりだったけど
結局 僕は何1つ 君を理解できてなかった
最後の線香花火の火玉が落ちた後には
別々の道を歩いていく事は分かってたけど
今の2人を映してるかのように目の前で
徐々に小さくなる火花からつい目を背けた
残された時間も僅かだと知ってたけど
夜空に消える煙をただ見送るしかなかった
最後の線香花火の火玉が落ちた後には
別々の道を歩いていく事は分かってたけど
まるで終幕の時を知らせるかのように
閃光は静かに闇夜に吸い込まれていった
やがて線香花火の火玉は ぽとりと落ちて
全てを燃やし尽くして 儚(はかな)く消えていった
“線香花火” (2010年作品) 詞・Koozy
この作品のテーマは、「恋の終わり」